2016年06月22日

幼児期の言語の遅れ

一升瓶に詰められ同じように売られている日本酒にもグレードが存在します。
同じ銘柄でも種類・ランクが分かれます。

日本酒に例えてランク付けなど大変失礼とは思いますが
育児をしているお母さんも様々に分類できます。
AランクBランクCランク。
さらにその上をいくSランクのお母さん。
日本酒でいえばプレミアが付くような大吟醸のお母さん。

育児や教育には完璧主義。家族や子供の為には自分のすべてのエネルギーを費やせる。
何でもしてあげられる満点お母さん。

そんなお母さんが犯してしまう唯一のミスがあります。

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私たちが言葉の通じない海外に滞在したとしましょう。

辞書もトラベル本も持っていたとしても、すごく気の付くマネージャーさんやベテランの通訳さんが24時間体制で常駐してくれていたらどうでしょう?
生きていく為、生理的欲求を満たすためだけであれば
わざわざその国の言葉を学び、現地の人々と会話する必要性は無くなります。

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お腹がすく前にご飯を、さびしがる前に抱っこを、欲しがる前にオモチャを。
我が子の機敏に敏感で気の利くお母さん。

黙っていても何でもやってくれるお母さんがいたら、
その子は自分の欲求や意思を表示する必要性が極端に減ります。

人間の機能には無駄はありません。
運動器、生殖器、脳でさえ使うチャンスがなければ退化していきます。

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言葉を発する構語能力は生まれつき備わった機能です。
ですが言語・会話は後天的な環境が作り出す習得能力です。
特に母国語とは乳幼児期の環境から練習し身に着ける能力です。

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「スクリーニングで検査したら言語に2年遅れがあると診断されました」といらしたお母さん。
子供をみれば待合室で歌も歌えるし自分から意思表示もできています。

ただ話したがらない。お母さんや同行したお兄ちゃんが自分を察して代わりに何かしてくれるのを待ってしまっています。

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現在、言語のスクリーニングでは2歳から2歳半の間に二語文(二つ以上の単語を組み合わせて話す)が話せないようだと平均より遅れがあると診断されてしまいます。

ですが「ワンワン、可愛い」と言える子もいれば、「ワンワン」の単語中に可愛いの意味が込められている場合もあるのです。

「ママ、好き」と言える子もいれば「ママ」の一語の中に大好きという感情が込められている場合もあるのです。

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幼児のスクリーニングとは重篤な障がい(一生付き合っていかねばならない機能の問題)をできるだけ早期に発見し、できるだけベストな対策や方向性を導き出す指標となるものです。

「平均的な成長」というモノがどれくらいの個人差を包括して言えるのかは、おそらく誰にも答えは出せないと思います。

スポーツや楽器と同じように言語は習得能力です。
練習した子は早く身に着くし、練習の機会が少ない子(話しかけや読み聞かせが少なかった子、意思表示の必要性が少なかった子)は習得に時間がかかるのが当たり前です。

「先回りしてなんでもやってくれるSランクのお母さん」や「代弁してくれる弟思いのお兄ちゃん」に、少し鈍感で気が利かないフリをしてくれるようお願いして治療を終えた次第です。

江戸川区小岩 千葉県訪問出張
はなのやま鍼灸院
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2015年11月25日

認知症介護の疲労ケア~泥棒とののしられる嫁~

認知症やアルツハイマーを治してくれという患者さんはウチにはまだいらっしゃいませんが、
ご家族を介護している方は疲れ切った状態でいらっしゃることがあります。多くはお嫁さんです。

お話を伺うと多くの方に共通なのは「泥棒扱いされた」「嫁は何十年いても他人なんだ」というお話です。
中には悔しくて泣きだした方もいます。頭にきておばあちゃんを叩いてしまった方もいらっしゃいました。

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3次元の私たちは「因果律」という法則の中に生きています。
突然頭にボールをぶつけられたら、それが「4次元から飛んできたかも?」と思う方はいないでしょう。
必ず自分で解明(理解)できる範囲の中から原因を見つけようとします。

認知症の方は記憶が失われています。そして病識が無い方がほとんどです。
記憶をなくすのは忘れるのと違い、思い出し直すことはほぼ皆無です。

自分がしまい忘れ、置き忘れ、使ってしまった記憶のすべてがありません。
記憶を失くした状態で「ある」と思って開いた財布からお金が消えていたらどうでしょう? 

先ほどの因果律から「お金が勝手に歩いて消えるわけない、誰かが盗んだとしか考えられない」と。
ほとんど外出されない方が思い浮かぶのは家族または訪問介護の方でしょう。

また同時にキーワードによる連想の処理も脳は行っています。
「家族=いつも傍にいる嫁」の連想が脳をよぎります。
家族の連想は他の人に及びません。最初に思いついたお嫁さんが家族の代表です。

そして認知症の方の脳の内では、ここで二つのMIXが行われてしまいます。
お嫁さんが自分の財布からお金を盗んでいるシーンが焼き付けられてしまいます。
まるで盗んだ瞬間を目撃したかのように言う方もいらっしゃるでしょう。

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でも家族というキーワードで最初に連想したお嫁さん。
実は家族の中で一番信頼している(頼りにしている)存在なのです。

認知症という複雑な症状。一生懸命頑張っても毎日ののしられているお嫁さんは怒りさえ覚えることでしょう。でも本人の中ではこういう回路が働いてしまっている可能性も十分考えられます。

本心からお嫁さんを泥棒と疑っているわけではありません、状況と症状が作る幻覚の一つなのです。

在宅介護の疲労ケアで来院される方。身体だけの疲労という方はおりませんでした。
365日24時間、いつまで続くのかわからないというOFFスイッチのない精神的な苦しみ。
ご自身のアクティブな時期がどんどん消耗されていっているというジレンマ、あきらめ。

東洋医学では心と体は一体であると考えます。
当院で行う東洋的な考え方に基づいた鍼灸治療においても心のケアに重点を置きます。

施術中の、このような認知症の複雑な脳の処理のお話で
ほんの少しでも気持ちが緩み温まってくれたなら・・・と切に願った次第です。

江戸川区小岩 千葉県山武・東金市 訪問鍼灸
鍼灸積聚(しゃくじゅ)治療 小児鍼(はり)不妊症鍼灸
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2015年08月31日

夏休みの終わりに〜子供の成長〜

今日は夏休み最後の日。お母さんの40日戦争も終戦を迎えます。

「女性は7の倍数で・・・男性は8の倍数で体が変化していきます」某CMで有名になった言葉。これは中国の医学古典「黄帝内経素問」の中の「上古天真論」の有名な一節であります。

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日々、小児治療を行っておりますが、小さい子ほどお母さん(お父さん)の喜ぶ顔が見たくて習い事や塾などを頑張っているように思います。

将来出世したくてお受験を考えている子などおりません。大人になった時の為に水泳やピアノを頑張っている子もおりません。みんなお母さんの笑顔が見たくて(褒めてほしくて)頑張っているのだと思います。

親の期待に添えるような結果が出せなかった時、子供の性格にもよりますが、焦りが生じてしまう子も少なくはないでしょう。

またさらに「もっと、もっと」と過度にハードルを上げてしまうご家庭もあり、それについていけなくなった時に心因的な症状を発症してしまう子もいらっしゃるでしょう。腫れ物に触るような「過干渉」も小児心身症の原因になることは知られています。

吃音(どもり)・チック・ヒステリー・尿漏れ・夜尿症(5歳以上のおねしょ)・歯ぎしり(上歯がすり減ってほとんどなくなるほど)・急激な視力の低下など。

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親の顔色などうかがわずに「自分の為にやりたい」というのは早くても小学2年から3年生位ではないだろうかと思います。ちょうど7歳8歳の頃ですね。子供の自我もその時期にまた少し成長するのかも知れません。

男の子の場合「小学三年生の夏休みが終わるまでは」と初診時にお母さんに申し上げます。やはり幼児期の心の焦りを乗り越えるにはそれ相応の心の成長時期を待たねばならない。これは症状の軽い重いにかかわらずです。

この夏に治療した子供たちもいつかは大人になります。その頃には当院の治療の事など覚えていないでしょう。それでもいつか親になった時「心と体は一体なのだ」という東洋的な考え方を思い出してくれたらと思います。

子供にはその子なりの大きさの心のコップがあって、そのコップからストレスが溢れた時に身体的な愁訴や症状となって表れやすいということ。そして成長とはその子のコップが大きくなる事なのだと。

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posted by はなのやま at 18:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 乳幼児・小児治療