2013年10月24日

ED・勃起不全・性機能不全・精力減退 ~ストレスからの男性更年期障害~

男性ホルモン・バランスの乱れが原因で身体的・精神的不調をきたす、心身症のような、自律神経失調症のような症状です。

女性の更年期に起こる不定愁訴と同じように、日替わりで様々な全身症状が不定期に生じることが特徴です。

若い男性ほどストレスや運動不足による影響が大きく、中年以降では加齢によるテストステロン分泌低下により症状が出やすいと考えられます。

【原因】
男性ホルモン(テストステロン)の分泌の低下・分泌異常・濃度の低下・活性の低下があげられます。

自律神経の働きはテストステロンの適正な分泌によってもコントロールされるため、自律神経が適切に働かなくなってしまい全身(心)の不定愁訴が発症します。

男性には女性と違い「閉経」という明確な体の変化が無く、発症には個人差が大きい為に以前は認知されにくく、過去には、単なる疲労・老化現象・うつ病と診断されてしまうケースも少なくなかったようです。

【症状】
・身体的な症状
ほてり、のぼせ、冷え性、動悸、肩こり、頭痛、全身倦怠感、疲労、背頚部痛、記憶力の減退、関節痛、発汗、陰毛の減少

・精神的な症状
落胆、不眠、うつ症状、いらだち、食欲不振、興奮状態、神経過敏、不安 生気消失

・泌尿器系症状
頻尿、残尿感、会陰部不快感、前立腺肥大症(尿道や膀胱底部が圧迫され尿意はあるのにすぐでない、尿の切れが悪くなる)

性機能に関する症状としては
性欲減退、勃起不全、射精感消失 オーガズムの低下、などがあります。

□Late-Onset Hypogonadism(LOH症候群・加齢男性性腺機能低下症候群)や
□PADAM(partial androgen deficiency in aging males 加齢男性における男性ホルモン低下)
はほぼ同義であり、いわゆる加齢による原因が多くを占めますが、

ここではストレスや心身の疲労、生活環境の変化などによるもの、つまり「加齢現象ではない男性更年期障害」について考察してみたいと思います。

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【テストステロンの分泌を低下させるストレス要因】

・ストレスがかかると体は防衛反応を起こします。これは心の安定を保つ為の安全装置ともいえる反応です。
アドレナリンや糖質コルチコイドなどの神経伝達物質やホルモンを体内に分泌させ、発汗・興奮状態、戦闘状態を作ります。さらに体力を保持する働きがある男性ホルモン(テストステロン)や女性ホルモン(エストロゲン)も分泌されて体はストレスに対抗しようとします。

・一過性のストレスであれば体の反応(ホルモンの分泌)はすぐに元の状態に戻りますが、ストレスが強く長期間にわたり持続するようでは安全装置の許容範囲を超え体に様々なシグナルが現れます。
抑うつ症状や自律神経失調症、更年期障害(性欲減退・EDなど)も起こりやすくなります。

・自律神経の乱れによるホルモン分泌異常(低下)が原因の一つと考えられますので、長期にわたる強いストレスは男性更年期症状を悪化させます。また、働き盛りの男性では社会的地位による責任の増大や家庭環境からのストレスも多いと考えられます。


【神経緊張状態である自律神経失調症と更年期障害】

・更年期障害は心身症予備軍・自律神経失調症でもあり、心臓のドキドキ、微熱、多汗、頭痛、めまい、疲れ、手足の冷え・しびれ、耳鳴りなどが起こりやすくなります。これらは体の異常ではなく神経の緊張状態により起こるものですので医療機関の検査では「異常なし」と言われること多いのです。

・精神的ストレス、人間関係による精神の摩擦、イライラ、様々な閉塞感で常に緊張状態が取れずリラックスできないことで交感神経の働きが優位になったり副交感神経の働きが抑制されるますと自律神経系のコントロール失調からホルモン・バランスが乱れます。


【視床下部・下垂体の関わる要因】

・テストステロン分泌命令は脳の中枢である「視床下部」により行われます。視床下部は同時に自律神経の中枢でもあります。テストステロンの急激な減少は自律神経のバランスを崩し、男性ホルモン分泌以外にも心身に様々な不調が現れます。

・自律神経系のバランスが乱れてコントロール失調を起こすと視床下部・下垂体の性ホルモンの命令系があやふやになり、精巣でテストステロンが製造されないか、製造されても分泌されないかといった異常を招きます。

・また性ホルモンが分泌されないことで視床下部や下垂体は精巣に対して製造・分泌命令を出し続けます。
これが長期にわたる場合、視床下部や下垂体の疲弊による自律神経失調症が起こることもあります。

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【加齢要因以外で男性更年期障害を起こしやすいタイプ】

・性格が几帳面でまじめ、責任感が強い人はストレスをためやすく更年期障害を発症させる傾向にあります。
更年期障害になるとテストステロンの分泌低下によりうつ病(気分障害)が発症し、落ち込み・不眠・原因の無い不安感・集中力の欠如の状態に陥り、消極的になりやりたいことを実行できなくなったりします。
几帳面でまじめな人はアクティビティが失われたこと自体がまたストレスになり、悪循環から、さらなるテストステロンの分泌低下を引き起こします。

・過去の自分と現在の自分を比較して「怠け者になった」と自己嫌悪・自己否定の状態になります。
周囲に気付かれない様な努力も限界になり、人の目が気になりだし、人との交流を避けるようになります。
・不眠により昼間に眠気に襲われ「昼夜逆転」の生活になり、仕事も手に付かず、体力・気力が失せ、うつ状態が長く続くようになります。

・男性的で男らしい人
発症前には大量のテストステロンが分泌されていたであろう人。肥満やストレスでテストステロンの分泌がちょっとでも低下しだすと、分泌量そのもののよりも、「大量に分泌されていた頃との落差」により更年期症状が発症しやすいと考えられます。筋肉質だった男性が急に腹が出てきたり筋肉が細くなったり、変化の落差が大きい人ほど更年期症状が大きく出やすい傾向にあります。

・運動不足の人、激しい運動を続けていた人が急にやめた場合。
肥満による脂肪の蓄積で男性ホルモンの活性が低下することもあります。激しい運動により自律神経の調節を行いホルモンの分泌を促す習慣のあった方がピタッと運動をやめてしまうとその急激な変化に体がついていけなくなると自律神経系のコントロール失調から男性ホルモンがスムーズに作られなくなってしまいます。

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【男性更年期障害の前立腺への影響】
テストステロンの分泌減少の影響を一番に受けるのが前立腺です。前立腺は女性でいう子宮にあたる器官です。男性の生殖機能に大きな影響を与えています。排尿にも密接なかかわりがあります。更年期障害によりさらにテストステロンの分泌量が急激に変化すると前立腺にも大きな影響を及ぼします。前立腺に影響がでると、男性はセックスや排尿に変化が現れてきます。

・前立腺の泌尿器系の症状としては、頻尿 頻繁に(2時間以内に)尿意をもよおす 残尿感(後切れの悪さ なんとなく出きっていない感じ)排尿後に動くと尿が漏れる、などがあります。また症状が長引けば、会陰部の不快感・陰嚢と肛門の間にぞわぞわしたような不快感が生じます。


【更年期障害の予防と改善】

適度な運動はホルモンバランスを整え、自律神経系にも良い作用をもたらします。
*運動不足ではないが今まで激しい運動をしていた人が急激にやめた人も運動によって行ってきたホルモンバランス調整を急激にコントロールできなくなり男性更年期の症状が大きく出やすくなります。
*運動不足により体内に脂肪が蓄積されてくると男性ホルモンの働きが低下します。肥満防止の運動は男性ホルモンの活性を保持する意味も大いにあわせもっています。

バランスの良い食事(アルコールの摂りすぎに注意)
アルコールは睡眠障害、肝機能障害、肥満などの原因になり男性ホルモンの活性低下をもたらします。
体内に脂肪が蓄積されると男性ホルモンの活性が低下します。先にも書きましたが、肥満の改善は男性ホルモンの活性を維持する効果もあります。

睡眠について
眠れない、寝ていても疲れる、朝起きるのが辛いという方は「自律神経の働きの低下」が考えられますので規則正しい生活、早めの就寝で十分な睡眠を確保することも重要です。

趣味や気晴らしなどによるストレスコントロール

日光を浴びる
1000ルクス程度の光を1時間ずつ5日浴びるだけで男性ホルモンの分泌を促すゴナドトロピンの量が70%近く増加した実験もあります(カリフォルニア大学)。


【現代医学的な治療】
多くは男性ホルモン補充療法。
治療効果の程度や持続時間が不明。長期間投与後の心血管系や前立腺に与える危険性もまだ知られておらず、その為に本格的なホルモン補充療法としては確立されていません。

精神的ストレスの軽減、自律神経の調整による男性ホルモン・バランスの回復。
こちらは東洋的な考え方の鍼灸治療を用いても大きくアプローチできそうです。

まずは全身(心)を対象とする治療によって全身(心)疲労や冷え・ストレスなどによる機能失調を改善します。性機能的な部分には経穴(ツボ)や経絡を使った補助的な治療が必要になる場合もあります。ED治療には仙骨や恥骨上のツボから陰茎に響く感覚を徐々に取り戻していく補助治療を行いますが、まずは積聚(しゃくじゅ)治療によって「心身共に温かくてわだかまりや閉塞感の無いコンディション」を作ることから土台となります。

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【まとめ】

働き盛りの男性が突然、男性機能・性行為不能の状態になってしまう自信喪失は計り知れません。もし夫婦で子供が欲しいタイミングであれば男性への精神的な重圧はさらなるストレスになります。

薬による一時的な性機能回復もイザという時の有効な手段ですが、まずは機能失調を招いた原因にアプローチすることが先決だと考えます。そして全身(心)の土台作りは東洋的な治療によるアプローチが大変効果的です。

独りで悩み、さらに新たなストレスが生じる前に、ぜひ一度東洋的な考え方に基づいた鍼灸治療を選択肢の一つに加えられてみてはいかがでしょうか。

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ブログ文章 橋本昌周

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