2017年02月06日

小児の視力と眼心身症

赤ちゃんは全員「老眼(遠視)」で生まれてきます。ピントを合わせる筋肉や機能がまだ未発達だからです。目の前の物はぼやけてしまいハッキリと見えてはいません。老化でピントを合わせる機能が衰える「老眼」と同じ状態がしばらく続きます。

「遠視」に近い状態から成長とともにピントの機能が備わってきます。中にはゆっくりとピント機能を身に着ける子もいます。幼児・小学校低学年くらいで遠視と診断されても成長とともにひとりでに治ってしまう子も多いのです。

常々、眼(目)の本質とはいかなるものかを考えます。カメラの修理のみを追うような解剖生理学・病態生理学では測れない眼(目)の本質とは何か?

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眼とは飛び込んでくる光を吸収する器官です。光を「極陽(プラス)」と考えれば目は「極陰(マイナス)」とも考えられます。

また顔面部を走行する陽経の経絡も目の周辺に集まっています。まるでブラックホールに吸い寄せられる光の様に、走行の軌道を屈折させてまで眼の周辺に集まっています。眼とは光が吸い寄せられる、かなり陰性の強い器官と言えるのではないでしょうか。

人体で陰性の働きをする機能としては、腎(老陽)、肝(少陽)であります。
腎の乱れは「疲労・老化・立ち仕事・冷え・不安・焦り・驚き(ショックな出来事)」などからおこるとされています。
肝の乱れは「歩きすぎ・動きすぎ・アルコールの多飲・薬剤の常用・怒り・ストレス」などからおこるとされています。

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「眼心身症」という症状があります。ベトナムや中東で戦ってきた(惨状を目の当たりにしてきた)兵士が帰国後発症する急激な視力の低下です。眼の機能には何ら異常は見つからないのでそうです。原因不明の「目に写ったものを脳が映像として上手に処理することができない」状態です。

まるで目からの情報をストレス源ととらえ入力をシャットアウトしているようにも思えます。惨状を見てしまった、日常ではありえない地獄絵図を経験してしまった事による「PTSD(外傷後ストレス障害)」の一種ととらえても良いような気さえしてきます。

また米国の研究・統計によると「眼心身症」を発症するもう一つの要因には「親の過干渉」があるそうです。

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いずれにしても、人間の眼(目)とは単なるカメラの役割だけではなさそうです。腎と肝、強い陰虚(陰の力が弱る)ことで「光を吸い込むブラックホールの力が弱まっている」と私は考えます。

マッサージやリラクゼーションなどを受けた直後に目がスッキリパッチリされた経験のある方もいらっしゃると思います。陰性(腎・肝)を補う東洋的な治療で、(一時的にでも)近視が改善する場合が多々あります。子供ほど顕著です。

視力の問題に関しては「カメラの修理」だけではない、他からの要因の改善も治療の対象だと考えています。全身(心)のバランスを整えていく東洋的な考え方に基づいた治療もぜひ取り入れてみられてはいかがでしょうか?

江戸川区小岩 千葉訪問出張
はなのやま鍼灸院
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2013年06月24日

慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndorome)

慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndorome)

【概念】

原因不明の重い疲労(労働や運動などが原因でないことが明らかなもの)が6ヶ月以上続き、
日常生活に支障をきたす状態

完治例は少ないが対症的に投薬治療による疲労の軽減は可能とされる

更年期障害や自律神経失調症などの疾患、鬱などの精神疾患と誤診されることも多い

【症状】

@半年以上続く微熱(解熱剤などがあまり効果がないという特徴がある)

A全身倦怠感:日常生活に支障をきたすほどの倦怠感。
*仕事や育児や介護などで、原因がはっきりしている場合は
「慢性疲労」とし慢性疲労症候群とは区別する

B筋肉痛(腰・肩・腕・脚・背中などの特定部位に)
激しい運動後の筋肉痛に近い痛み
*動けないほどの痛みが出ることも

C睡眠障害
睡眠不足:寝つきが悪い、浅眠、早朝覚醒など

睡眠過剰:一旦眠ってしまうとなかなか起きられない
昼間の異常な眠気で寝てしまう

*不足と過剰が同時にでることもある

D気分障害
鬱に良く似た症状 精神活動の妨げになることも

憂鬱感や気分の落ち込みが続いて仕事を休んでしまうことも(疲労倦怠もあり)
「やる気が出ない」「何も手につかない」「続かずやめてしまった」など

E注意力の低下
注意力・集中力の散漫(鬱の症状でもある)
物忘れ、最近のことを記憶できないなど認知症様になることも

F喉の痛み(リンパ節の腫脹を伴うことも)
風邪を引いた時のような痛み 咳が止まらない
*CFS発症時に出やすく、最初「治りにくい風邪」として勘違いしてしまい、
CFSの検査や診断が遅れることも

G過敏性
光や明るさに対して過敏になる 化学物質や食物に対するアレルギーが悪化

H多汗
暑くて、汗が止まらない
就寝中、朝起きた時に寒気がするほどの寝汗をかいてしまうこともある


【原因】

不明 
あらゆる年代や職業に発症が確認されている 検査では「異常ない」が微熱や疲労感続く

位置情報原因もしもその@ウィルスへの感染が関連?
何らかの原因で免疫力が低下するので、過去の感染で体内にあった
ヘルペスウィルスなどが再活性化したとの説

位置情報原因もしもそのAストレス
発症患者のほとんどが「生活に強いストレスを感じていた」という研究結果がある
ストレス⇒血中のNK細胞(免疫担当)の活性低下⇒疲労が発症
(*NK細胞の数が低下することはCFSの患者に共通しているという)

パンチストレス説に反論もあり:
全てのCFS患者がストレスを感じていたわけではないし、
NK細胞の活性低下はストレスだけが原因ではない

【分類】

疲労の原因がはっきりしている「慢性疲労」とは
区別
して、一つの疾患として受け止める

T類:精神疾患を伴わない

U類:CFSの発症とほぼ同時に抑うつ状態が発症

V類:抑うつなどの精神病理の後にCFSが引き起こされ発症

*日本ではU・V類が多く精神疾患との関連も研究されている
・日本では CFSにかかる人の半数以上が抑うつ状態になってしまっている
・自律神経失調やうつ病などの発症後にCFSを発症するケースも多い

・CFSに伴う鬱症状は一般の鬱病とは別と考え、この鬱状態はCFSの症状の一つと捉える



【投薬治療と生活改善】

特効薬はないが投薬によって免疫力を高めていく(疲労感改善)を目指す
ビタミンC、ビタミンB12などとSSRI系(セロトニンの生成を促す)の抗うつ薬・精神安定剤
の併用が効果的との研究もあり

他に免疫力の向上としては、早朝の朝日を浴びる⇒セロトニン合成を活発化

軽度の運動(もちろん疲労の残存に注意しながら)
*激しい運動=意識が覚醒して不眠が悪化

禁煙(ビタミンの破壊を防ぐ)


ぴかぴか(新しい)当院においても、慢性的な疲労を主訴とされる方は多く、その方たちの中にも、詳しく生活習慣などのお話をうかがっても

「別に疲れるほどまじめに生きてないよむかっ(怒り)

「しっかり寝てるんだけど疲れが取れないんですバッド(下向き矢印)たらーっ(汗)

など、疲労蓄積の原因がご自身にもわからず、ハリで少しでも疲れやだるさが取れればそれでいい”
という患者さんも少なくありません。

「疲れ=たいしたことない、仕事してれば皆溜まるもの」など、
疾患の一つとして捉えられている患者さんは少ないということでしょうか。

寝たきりのCFSの患者さんほどでなくても、その予備軍、
特に身体的疲労の原因が特定できない患者さんは多いと思います。

過去の生活、ストレス・不安など精神状態までさかのぼって考えれば
取れない疲労の原因が思い当たることもあるのではないでしょうか?


1病院での糖尿病治療はせず、強い全身倦怠を”糖尿病のせいだ”と決め付けて
来院された会社経営者(仕事ストレス多く、怒りっぽい)

2突発性難聴と耳鳴りを主訴として来院された、「疲れが取れない、眠れない」居酒屋の女将さん
(1ヶ月前に人間関係に大きなストレス 直後に難聴を発症)

ひらめき当院では、東洋的な考え方に基づいた治療により、心身に生じた精気の虚を補うことにより、
心身ともに暖め緩め、仮に継続的な治療が必要になったとしても、原因から疲労・倦怠感を改善していくことを目指します。

ひらめきもちろん過去に生じたストレスやショックなども時系列的に、「疲労蓄積の原因」や「疲労が取れにくくなっている原因」として考察していきます。

るんるん僭越ですが、当院の美学としては「疲労を取る治療をしますよ」
などと宣言することなく、他の主訴の治療のようにみせかけ(?)、

治療後のお会計時に 「ついでに体も軽くなったでしょ?」
などの粋な台詞の一つも投げかけ、

「そうだね〜気持ちよくって眠くなっちゃたよ」

などのお言葉が返ってくるようであれば、
それをマル秘・疲労改善治療と捉えてもいいのではと考えますいい気分(温泉)
(もちろん、疲労(精気の虚)が強い方、専門知識が必要な方には
慢性疲労についてのご説明と生活改善のアドバイスをさせていただきます)

ご存知かも知れませんが、喫茶店コーヒーや栄養ドリンク剤などのカフェインに頼った、
強制的な交感神経(しゃきっとする緊張神経)優位の状態は
疲れを感じにくくなるだけで、実際の疲労が改善されるわけではありません時計

その間も全身(心)は休むことなくヘトヘトになって働いていますあせあせ(飛び散る汗)
栄養・休養は一番の治療です。くれぐれもおろそかにされませぬよう。

ひらめきそして生活習慣の改善だけでは疲労が取れにくくなってきた時、
実はその時が疾病予防・体調管理の治療のグッド・タイミングでもあります。

ひらめき「たかが疲れ」と我慢せず、ぜひ心身を癒してくれる東洋的治療を受けられて下さいわーい(嬉しい顔)
posted by はなのやま at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 神経内科疾患

2013年06月20日

パーキンソン病のジストニア

がく〜(落胆した顔)「パーキンソン病の父の体が

前のめりに曲がったまま元に戻らなくなってしまった」

患者さんの息子さんよりご相談を受けて院長が往診に伺いました。


【患者】男性(71歳)

【既往】

6年前に歩行に異常を感じた時期があり、

脳外科にてMRIを撮ってもらうも「異常はみられない」との所見で、

だんだんと症状がおさまってきたことから、

そのまま経過観察しながら様子を診ることをすすめられた。

2〜3年前より歩行困難と姿勢反射の異常(頻回な転倒)

があらわれ、「パーキンソン病」と診断された(MRI所見では脳に器質的な異常はなし)。

【症状】

体幹の屈曲位ジストニア←訪問時は少しずつ緩んできていた

歩行困難 、姿勢反射の異常(頻回な転倒)、便秘(かなり強い)

後頚部のこわばり 、手足の冷え・異常発汗など

下腿・足部の強いむくみ、夜間多尿、

腰痛&左腸骨から臀部にかけての知覚鈍磨

【状況】

体幹屈曲症状より1週間前に、パーキンソン病薬「〇オ〇バス〇ン」の

従来の摂取リズムを変更するよう主治医にいわれその通り行った。

1週間後体幹の異常屈曲が発症したたらーっ(汗)


どんっ(衝撃)その時主治医が病院に不在だった為に診てもらえず、

別の医師が薬の摂取リズムを元の状態に戻すよう指示し、

2日後には少しずつ屈曲位は改善されてきた。


かかりつけの病院に父親の主治医がいることが少なく、

不安になった息子さんが当院のホームページをみられて

東洋的な治療で薬の副作用を減らせないかとのご相談をいただいたぴかぴか(新しい)



ひらめき【施術】

イスに座ったままでの積聚治療
(屈曲位を無理に起こさず、両手で杖をつき、
その上に患者のおでこを乗せ支えた状態)

【バイタル】 脈数111回/分 血圧131/89


【脈診】 数・陽実はなく、左寸口(−2)左関上(−2) 結


【腹診】 左側の外水道・外帰来付近に硬さがあり(便秘の硬さも含めて)、

自覚痛・押痛ともなかったので腎積腎虚症とした。


【治療】

順治 2行線4穴目にて左臀部の違和感と冷感が取れてきた。

督脈を軽めに刺鍼していき、3穴目にて「足が温まってきた」とのこと。

*イスの背もたれの間から術者の手を入れるような治療だったので、

今回は刺鍼・指標の確認とも多少やりづらさを感じた。


【結果】

腹部は柔らかく、冷え湿った感じも取れた。腰痛も減少され、

術中1穴終えるごと自動的に体を起こす(屈曲位より戻す)動作を加えた。

伸展動作は時間がかかるが、体幹の屈曲はほぼ気にならなくなった。


【後日】

初診の治療ではジストニアは改善されたが

便秘・歩行には目に見えた変化はなかった。

*以後第2診・3診ともベッドでの治療を行っているが、
腰痛には変化がみられる(姿勢保持のバランスが改善?)。

第3診終了時、まだ歩行・便秘には変化はみられない。


【考察】

院長が過去に施術したパーキンソン病の患者さんの症状に

俗に「首下がり」と呼ばれる頚部のジストニアがあったそうです。

パーキンソン病からおこる症状でもありますが、L・ドーパ薬などの

種類・量などの変化により発症しやすい傾向もあるとのことです。


当院の院長は鍼灸師ですので、

患者さんに対して「診断」という行為は出来ませんが、今回の状況判断より、

「薬の影響のジストニアが体幹に発症した可能性も」と考えたようです。


晴れ施術中「せめて好きだった囲碁でもできるようになればなぁ」と

おっしゃられた言葉が耳から離れず、

温厚な人柄、穏やかな口調で話されるほどに、

逆に、ご本人はもちろん(奥様やご家族も)

極限のストレスの中で戦っていらっしゃるのが伝わってきました手(グー)


【追記】

ひらめき今回のような、”お電話で症状を伺って訪問する”場合、

その患者さんを実際に診るまでは、お電話でうかがった症状が

本当に鍼灸で対応するのがふさわしいものか、

または緊急性や重篤な傷病へ関連する可能性があるものかは100%わかりません。


ちょっとした術者の自信過剰や東洋医学絶対主義が判断を遅らせ

逆に患者さんの苦しみを長引かせる可能性もあります。

院長も猫も時々考えすぎて不安になることもありますたらーっ(汗)


ひらめき「(修理は)直せる直せないよりも まず駆けつけてやるのが仕事だ!

設備の仕事をしていた今は亡き院長のお父上の言葉です。

田舎での設備工事は、真冬の夜中の養鶏場の暖房の故障や、

真夏の海の家の漏電や、地元の人の生活を左右するような

一刻を争う修理も多かったのだと思います。

ひとたび頼まれたらあたふた迷っている余裕もなかった事でしょう。

亡くなったお父上がもうずいぶん昔に口にされていた言葉みたいです。


院長もずっと忘れていた言葉でしたが、

急な訪問依頼で「歯が立たないくらい重症だったら?」

という不安がある時、自分の背中を押すのに思い返すことがあるそうです。


ぴかぴか(新しい)この患者さんの息子さんは、父親のために

必死でいろいろな情報を集め、がんばられたのだと思います。

院長が「父親に何もしてやれなかった自分をつくづく情けないと思った」と

ぼそっとつぶやいてました。ふらふら

江戸川区北小岩 千葉県山武市
はなのやま鍼灸院 http://hananoyama-hariq.com
posted by はなのやま at 12:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 神経内科疾患