2017年02月18日

食思食欲不振・偏食の子

食欲に偏りがあったり、好き嫌いが激しかったり、(特に朝は)ほとんど食欲がなかったり。
何でも美味しくおなか一杯食べられる人から見たら、気まぐれでわがままな子のように見えることでしょう。

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食べたものを消化するにも体力が必要です。人間の意識では「噛んで呑込むまで」=「食べる」ですが、本当の食べる(栄養の吸収)はその後の消化器の働きによるものです。

体力がない時のこってりした栄養価の高い事食は、まるで食べ物が素通りするかのように(体が消化吸収を拒んで)、体力を奪うだけで便として出されてしまいます。断食修行を終えたばかり方にはいきなりステーキを食べさせないのです。

栄養の吸収とは「食物の栄養価」だけで決まるものではなく、あくまでもその時のその子の消化機能とのキャッチボールによって決まると言えます。

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食べない子というのはただのわがままなのではありません。
本能的に、自分の消化能力以上に食べないことで体力を守ろうとしているようにも思えます。
「好き嫌い」も同様で、嫌いな食べ物とはその子の体調に負担になる要素が多いのではないかとも考えられます。

生まれつき特定の栄養素の消化が苦手な場合もあります。たとえば牛乳を飲むと必ず下痢をするなど。小麦を食べるとおなかにガスがたまりやすいなど。

乳幼児は毎日毎日、ゆっくりと消化吸収の練習をしています。ある程度成長するまで消化吸収力の成長にバラつきがあっても当たり前です。

また成長して消化吸収力がついてくれば今まで負担になって食べられなかったものでも普通に食べられるようになることも多いものです。

見守るべき(改善していくべき)は、食べた量や品目だけではなく、その子の消化力(胃力)や食べ物に負けないだけの体力にあると考えます。

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いろんな子がいて十人十色の体質があります。

誉めてあげるべきは、無理してまでたくさん食べることではないのではないでしょうか。
今教えてあげるべきは、自分に合ったように残さず食べることなのではないかと思うのです。

「好き嫌いをなくすツボはありますか?」とよく尋ねられます。そのようなツボは無いように思います。
「治療を受けた日は良く食べます」とご報告をいただく事も多いです。

色々な食べ物を吸収できる体力を促進していく目的で、東洋的な考え方に基づいた小児治療で「全身(心)からのアプローチ」をお勧めさせていただく次第であります。

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2017年02月06日

癲癇(てんかん)とステロイド

はるばるI県から母親に手を引かれ小3の男の子が治療を受けにいらっしゃいました。

いつまでも治らない腰痛と内足首の捻挫様の痛みに苦しみ、患部にはこれでもか〜というにくらい冷湿布が貼られていました。
パッと見はジャイアンタイプ。年齢に比べてがっしりぷっくりした体格で体力もありそう。ですがちょっと何か違和感を感じました。

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顔がまんまる(満月様顔貌)、肩がパンパンに張っていて(バッファロー肩)、背中から腕にかけての体毛も濃くなっていました。ここまでで副腎皮質ホルモンの異常やクッシング症候群の可能性があります。

予診で伺うと、癲癇(てんかん)の発作治療の為、1年前よりステロイドを服用しているとのこと。
なるほど。ステロイドとは副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)そのものですので、過剰投与によりクッシング症候群様の副作用が出ているわけです。血糖値のアップダウンで一時的に攻撃的な性格にもなります。

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腰と足首の痛部位を拝見すると、やはり経絡的には副腎の疲労を疑える流れにあります。副腎からのSOS信号の痛みの可能性が高まります。子供は体の異常を捻挫のような足首の痛みに置き換えて教えてくれることが多々あります。

水(腎・副腎)を補う少し特殊な温灸を行い、腰と足首の痛みは徐々に消失しました。ですがステロイド治療を続ける限り再発の可能性は高まります。腰痛や足首の痛みが問題ではなく、この子の副腎が悲鳴をあげつづけている可能性があることが何より心配です。

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「癲癇の発作におびえる毎日よりもステロイドがあった方が良い」と母親は言いました。数年におよぶ母親の疲弊も計り知れません。

ステロイドの副作用との戦いはまだずっと続くでしょう。副作用以上のメリットがあるからです。

ステロイドの良し悪しだけを理論的に並べて「使用するか」「止めるか」を論じてみても意味はありません。患児のいる家庭内では、親は精神的にも追い込まれかなり疲弊しているのが実情です。長期にわたり使い続ける必要性があるならば、副作用に対してのケアも同時に行われることはとても大切です。

I県からでは定期的な通院が大変なので、家での温灸を母親に伝授して治療を終えた次第です。

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2016年06月22日

幼児期の言語の遅れ

一升瓶に詰められ同じように売られている日本酒にもグレードが存在します。
同じ銘柄でも種類・ランクが分かれます。

日本酒に例えてランク付けなど大変失礼とは思いますが
育児をしているお母さんも様々に分類できます。
AランクBランクCランク。
さらにその上をいくSランクのお母さん。
日本酒でいえばプレミアが付くような大吟醸のお母さん。

育児や教育には完璧主義。家族や子供の為には自分のすべてのエネルギーを費やせる。
何でもしてあげられる満点お母さん。

そんなお母さんが犯してしまう唯一のミスがあります。

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私たちが言葉の通じない海外に滞在したとしましょう。

辞書もトラベル本も持っていたとしても、すごく気の付くマネージャーさんやベテランの通訳さんが24時間体制で常駐してくれていたらどうでしょう?
生きていく為、生理的欲求を満たすためだけであれば
わざわざその国の言葉を学び、現地の人々と会話する必要性は無くなります。

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お腹がすく前にご飯を、さびしがる前に抱っこを、欲しがる前にオモチャを。
我が子の機敏に敏感で気の利くお母さん。

黙っていても何でもやってくれるお母さんがいたら、
その子は自分の欲求や意思を表示する必要性が極端に減ります。

人間の機能には無駄はありません。
運動器、生殖器、脳でさえ使うチャンスがなければ退化していきます。

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言葉を発する構語能力は生まれつき備わった機能です。
ですが言語・会話は後天的な環境が作り出す習得能力です。
特に母国語とは乳幼児期の環境から練習し身に着ける能力です。

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「スクリーニングで検査したら言語に2年遅れがあると診断されました」といらしたお母さん。
子供をみれば待合室で歌も歌えるし自分から意思表示もできています。

ただ話したがらない。お母さんや同行したお兄ちゃんが自分を察して代わりに何かしてくれるのを待ってしまっています。

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現在、言語のスクリーニングでは2歳から2歳半の間に二語文(二つ以上の単語を組み合わせて話す)が話せないようだと平均より遅れがあると診断されてしまいます。

ですが「ワンワン、可愛い」と言える子もいれば、「ワンワン」の単語中に可愛いの意味が込められている場合もあるのです。

「ママ、好き」と言える子もいれば「ママ」の一語の中に大好きという感情が込められている場合もあるのです。

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幼児のスクリーニングとは重篤な障がい(一生付き合っていかねばならない機能の問題)をできるだけ早期に発見し、できるだけベストな対策や方向性を導き出す指標となるものです。

「平均的な成長」というモノがどれくらいの個人差を包括して言えるのかは、おそらく誰にも答えは出せないと思います。

スポーツや楽器と同じように言語は習得能力です。
練習した子は早く身に着くし、練習の機会が少ない子(話しかけや読み聞かせが少なかった子、意思表示の必要性が少なかった子)は習得に時間がかかるのが当たり前です。

「先回りしてなんでもやってくれるSランクのお母さん」や「代弁してくれる弟思いのお兄ちゃん」に、少し鈍感で気が利かないフリをしてくれるようお願いして治療を終えた次第です。

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