2015年11月25日

認知症介護~泥棒とののしられる嫁~

認知症やアルツハイマーを治してくれという患者さんはウチにはいらっしゃいませんが、
ご家族を介護している方は疲れ切った状態でいらっしゃることがあります。多くはお嫁さんです。

お話を伺うと多くの方に共通なのは「泥棒扱いされた」「嫁は何十年いても他人なんだ」というお話です。中には悔しくて泣きだした方もいます。頭にきておばあちゃんを叩いてしまった方もいらっしゃいました。


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3次元の私たちは「因果律」という法則の中に生きています。
突然頭にボールをぶつけられたら、それが4次元から飛んできたかも?と思う方はいないでしょう。
必ず自分で解明(理解)できる範囲の中から原因を見つけようとします。

認知症の方は記憶が失われています。そして病識が無い方がほとんどです。
記憶をなくすのは忘れるのと違い、思い出し直すことはほぼ皆無です。

自分がしまい忘れ、置き忘れ、使ってしまった記憶のすべてがありません。
記憶を失くした状態で「ある」と思って開いた財布からお金が消えていたらどうでしょう? 
先ほどの因果律から
「お金が勝手に歩いて消えるわけない、誰かが盗んだとしか考えられない」と。
ほとんど外出されない方が思い浮かぶのは家族または訪問介護の方でしょう。

また同時にキーワードによる連想の処理も脳は行っています。
「家族=いつも傍にいる嫁」の連想が脳をよぎります。
家族の連想は他の人に及びません。最初に思いついたお嫁さんが家族の代表です。

そして認知症の方の脳の内では、ここで二つのMIXが行われてしまいます。
お嫁さんが自分の財布からお金を盗んでいるシーンが焼き付けられてしまいます。
まるで盗んだ瞬間を目撃したかのように言う方もいらっしゃるでしょう。

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でも家族というキーワードで最初に連想したお嫁さん。
実は家族の中で一番信頼している(頼りにしている)存在なのです。

認知症という複雑な症状。一生懸命頑張っても毎日ののしられているお嫁さんは怒りさえ覚えることでしょう。でも本人の中ではこういう回路が働いてしまっている可能性も十分考えられます。

本心からお嫁さんを泥棒と疑っているわけではありません、状況と症状が作る幻覚の一つなのです。

江戸川区小岩 千葉県内訪問鍼灸
はなのやま鍼灸院
http://hananoyama-hariq.com
posted by はなのやま at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 認知症・アルツハイマー介護