2015年05月29日

産後クライシス~止まらない食欲・買い物依存〜

産後は出産で疲労した母体を修復するかのように、心身が食べ物を求めます。食欲旺盛なのが普通です。
ですが食事をしたばかりで空腹でもないのに無性に何かを食べたくなったり、食べずにいられなくなったり、気が付くと常に間食していたり。

また産褥期にベッドに横なっている時に暇つぶしにネットなどでベビー用品をちょこちょこ購入。最初は必要最低限なものを吟味して。
でも気づくと何かを買い物をせずには気持ちが落ち着かない状態になってしまっていたりします。概ねそれほど欲しくも必要でもないもの(後から何故欲しいと思ったのかわからない買い物)のようです。

こんな時は欲求となって現れた精神的なSOSというものを考えてみる必要があります。「依存症」という産後クライシスと捉えてみてはどうでしょうか?

出産時に出血が多い方ほど食欲や買い物の依存症になりやすいという統計的データに基づいた心理学の研究があります。
「(所有の)喪失感」という心理。自分から何かが奪われた、自分が所有しているものが無くなった、という感覚・感情です。この潜在的な感情をコントロールできないと、自分の所有物を増やす行為の依存症になりやすい、とこの研究は警告しています。

MP900430858.JPG

ここでは心と体は一つであるという東洋的な考え方で「所有の喪失感」を捉えてみます。

分娩時にダイレクトに体から失われた血液(生死にかかわる貴重なもの)もあるでしょう。

または40週間も自分のお腹で育っていたものがある瞬間を境に自分から出て行ってしまった、自分から離れた所で様々な人たちと関わり始めている、という寂しさもあるかも知れません。

もしかしたら妊娠中は自分が主役だったのに、出産を機に「いきなり主役の座を赤ちゃんに奪われた」といったやきもちにも似たスポットライトの喪失感があるかも知れません。その時「自分に対する周囲のいたわりが無くなった」「あの命がけの大仕事をした自分への扱いが雑すぎる」とぶつけようのないやりきれない感情が生じる方がおられるかも知れません。

産後のケアとは母体の肉体的な回復だけでなく「産後うつ」や「不安症」、ここで上げたような「心因的要因(分娩による喪失感)から発症する依存症」などの精神的なケアも含まれます。
産後、周囲の態度が、まるで「出産マシーンのメンテナンス」的な、肉体や体力の回復のみのいたわりだけあれば母親の精神面の産後クライシスが改善されることはないことでしょう。

MP900430467[1][1].jpg

人は丁寧に扱われるだけで癒される、と当院は考えています。実際こわばった体が温まりほぐれるだけで依存症の行為は抑制され減少されるそうです。体が温まり休まった状態とは心の器量(余裕)も増している状態と考えます。

当院は東洋医学に基づいた産後クライシスのケアを積極的に取り組んでいます。それは体力・体質やホルモンバランスなどのお体の機能の回復、体型や肌や髪の質など外容に関わるもの、自分でも気づかない心因的な原因により発症する症状などを対象に全身(心)からの調整を行うものです。

DSC03308[1].JPG

東洋医学とは心と体を一体として考え原因から改善を目指す治療です。心身の内側から健康に近づいていく治療です。
「お料理が下手でもお掃除が苦手でもいい、健康的で明るいお母さんがいい。」
「忙しくても内面から輝いている元気なお母さんがいい。」
当院で行う産後クライシス・ケアのゴールはそこにあると考えています。

江戸川区小岩 千葉県内訪問鍼灸(はりきゅう)
はなのやま鍼灸院
http://hananoyama-hariq.com
posted by はなのやま at 14:30| Comment(0) | TrackBack(0) | つわり・逆子・産後ケア

2015年05月25日

言葉の遅れ〜単語のみのコミュニケーション〜

何でも上達する為には時間がかかるものですね。
仕事のスキルも釣りもウクレレも
諦めず飽きずに繰り返す事で少しずつ身について腕が上がる?ような(笑)。

ある日何かのきっかけでトントンと何かが繋がり、急にスラスラ出来るようになっちゃうことを経験された方もいらっしゃると思います。

ひとつ言えるのは、明日身に着くであろう能力をあてにして
今日を乗り切ることはできないということ。
今は今の力を出し切って生きていくしかないということ。

MP900430858.JPG


「うちの子まだ単語しかしゃべれないんですけど・・・」
2歳になったら二語文(二つ以上の単語をつなげて意味のある文にする)がしゃべれないと他の子より発育が遅れているのでは?と不安になる母親。
もしかしたら子供が単語を発した時点で母親が先回りして理解して何でもやってあげてしまうせいかも知れません。

乳幼児が習わなくても母国語を修得していくのは、英検を受けるために英語を学ぶのとは全く異なります。ただの音だった大人の言葉がやがて意味のある表現方法として経験から修得されていくのです。生きていくのに必要だからです。

その子の「マンマ」には、「空腹である」という訴えも、「美味しい食事」の意味も、優しいママがスプーンで口にご飯を運んでくれる楽しい食卓のシーンも含まれているのかも知れません。氷山の見えない部分はどれだけ大きいのか、子供の感性や能力は簡単に計ることはできないと思います。

側音構語(息が漏れたり、アゴがずれたり、舌が硬直したりしてきちんと音声として発音できない)など発声発音そのものに障害がみられない限り、他の子と比べて成長のスピードに焦る必要はないと思います。ある日突然スラスラと、もあり得ると思います。

ただ、今子供が何を求めているか、という事にママの察しが良すぎると子供は多くを説明する必要が無くなり、表情や単語でコミュニケーションを完成させてしまうようになってしまいます。コミュニケーション能力を豊かにする為に少し理解の鈍いお母さんを演じてみてもいいかも知れません。

江戸川区小岩 千葉県内訪問鍼灸(はりきゅう)
はなのやま鍼灸院
http://hananoyama-hariq.com/children/
posted by はなのやま at 14:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 乳幼児・小児治療

2015年05月23日

不眠症・睡眠改善

春は「暁をおぼえず」という位に眠気が増す季節でもありますが、逆に不眠症を訴える方が多いのも春であります。

もう常識の様になっていますが、脳の松果体という部位から分泌される「メラトニン」というホルモンをいかに上手にコントロールできるかが良質な眠りに関わるとされています。すでに有名なメラトニンとは別に、今回は東洋医学的に「睡眠の改善」「不眠症」を考えてみましょう。

【陽気】
まず、我々の体には陽気が循環していると考えます。これは心身共に活発に活動する為のエネルギーであり、外から邪の侵入を防ぐ免疫的な体表プロテクターのような働きをするものでもあります。日中ほど盛んに循環し、午後から夜にかけて動きは無くなります。この時陽気と入れ替わり活発になるのが陰気というエネルギーです。 (ちなみにうたた寝時にも陽気は陰気と入れ替わり、体内に入りますので体表プロテクターは機能しなくなります。お風邪などひかぬよう一枚肌がけをお忘れなく。)

【陰気】
午後から夜にかけて陽気と入れ替わり増していきます。陰気というと暗くてネガティブなイメージですが、これは心身を滋養させ陽気の熱を冷ますラジエター(車のエンジン熱を冷ます)のような役割です。多くは体を滋養させる栄養や潤わせる水分をさしますが、休養中に蓄積されるエネルギーも含めてもいいかも知れません。

MP900430467[1][1].jpg

「陽気の活動が減り熱気が冷まされると眠くなる」というのが東洋医学的な睡眠観です。そこから「不眠」とはどういった機能失調と考えたらいいでしょう?

@陽気の熱が強すぎて冷めない。
陽気の熱がいつまでも産生され続けている状態。 これは過度のアルコール摂取や薬物使用、常に頭を悩ませる慢性的なストレス、怒り、女性でいえば月経中にも下腹部に血液が集まると陽気は頭に上がり始めます。
他にも考えられますがとにかく頭に陽気が上がって熱がいつまでも冷めにくくなっている状態です。

A陽気を冷ます陰気の不足。
これは冷却パワーが足りなくて頭の陽気(熱)が下げられない、ということです。多くはお年寄りの浅い眠りにみられます。老化とともに体を滋養する陰気が不足していきます。大きな病気や手術をされた方など体力の消耗の激しい方などにも陰気不足の不眠はみられます。「疲れすぎて目が冴える」といった状態もそうかもしれません。
栄養的には腎を補ってあげると良いですので、塩辛いものや味の濃いものを少量取られると良いと思います。

**高齢者は大量に食べられませんので、私は逆に塩辛さ・味の濃いもの・栄養価の高いものを少量食べられた方が良いのではないかと考えています。陰気の不足を補うことが不眠だけでなくあらゆる養生の基本になるからです。

当院は大まかにこの二つの要因から不眠の改善を考えてまいります。すぐに改善できる不眠もありますし、心因的な原因や陰気の消耗によるものには準じた治療も加えることでより根本的な改善を目指します。

他にも音や光、生活のリズムなど陽気が下がりきらない要因は患者さん各々の日常に沢山あるようにも思えます。このような本人の自覚のない不眠要因というモノも実際は多く(睡眠中の乳幼児が隣の部屋のTV番組の音で眠りが浅くなっていたり怖い夢を見たり)、客観的な分析という意味でも治療前の予診が役に立てば幸いだと考えます。

gf01a201409232000[1].jpg


寝る・食べる・歩く・出す(排泄)は生きていくに欠くことのできない要素です。お薬で安易に睡眠時間だけ獲得できても決して健康とは言えないと思います。だんだんと強い睡眠剤になる前に、東洋的な考え方に基づいた不眠症治療(≒良い睡眠獲得治療)を是非お勧めしたいと思います。

江戸川区北小岩 千葉県山武市(訪問治療)
はなのやま鍼灸院
http://hananoyama-hariq.com
posted by はなのやま at 12:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学